トラック別距離変更データ分析

データ分析

この記事は「距離変更」がテーマのデータ分析です。今走の競走条件を知らない競走馬たちが、前走からどのような競走条件の変化によって好走するのか検証します。その着回数と回収率がどうなるのか、次の条件で集計してみました。

  • JRA 2015年~2019年
  • 前走から90日以内に出走した馬
  • 前走と今走の距離の差が2F以内の馬
  • 前走と今走のトラックが同じ馬(芝→芝、ダート→ダート)
  • 出走馬の性別でグループ化(牡・セン、牝)
  • 距離変更でグループ化(延長、短縮、同距離)
  • 今走のコンピ指数順位(1位~8位)でグループ化

この条件にした理由は、巷でやってるような「延長・短縮・同距離」のグループ化だけではあまりにも抽象的すぎて、同じレースで同じ条件の馬が星を潰しあって、実際の競馬予想では全く役に立たない数字になるからです。なので私は、まず出走馬の性別で分類、さらに「大方がある程度勝負になると見込んでる馬」、ここでは「コンピ指数8位以内の馬」に分類して集計します。

コンピ指数を使う理由は、単勝人気順では馬券購入後とレース確定後で結果が異なる場合があるからです。コンピ指数の人気順が単勝人気順とほぼ一致するというのは「コンピ指数順位別データ分析」の記事で証明済みです。

結果はこちら。先ず牡・セン馬の芝から。データが多いので見づらいですが、最後に結論をまとめてます。

性別 距離変更 コンピ指数順位 1着回数 2着回数 3着回数 出現数 単勝回収率 馬連回収率 3連複回収率
延長 1 321 179 131 986 81 70 60
延長 2 197 184 133 1019 79 74 62
延長 3 155 149 152 1100 82 58 66
延長 4 112 139 144 1068 91 68 71
延長 5 73 106 107 1044 80 72 61
延長 6 55 90 97 1119 59 56 54
延長 7 41 67 71 1054 87 63 36
延長 8 29 38 53 1016 74 48 39
短縮 1 328 180 126 990 86 76 62
短縮 2 183 182 143 978 78 69 61
短縮 3 127 139 147 977 72 61 54
短縮 4 116 123 105 935 94 73 48
短縮 5 72 79 104 947 75 64 48
短縮 6 43 73 80 881 62 70 65
短縮 7 31 58 62 903 51 56 71
短縮 8 25 36 58 887 80 51 57
同距離 1 706 423 294 2311 76 75 64
同距離 2 359 407 285 2170 67 65 53
同距離 3 255 285 270 2005 74 59 59
同距離 4 194 211 242 1942 72 65 59
同距離 5 140 168 205 1859 76 61 58
同距離 6 91 114 150 1751 75 55 47
同距離 7 68 95 119 1593 72 71 58
同距離 8 56 63 87 1510 75 40 43

続いて牝馬の芝。

性別 距離変更 コンピ指数順位 1着回数 2着回数 3着回数 出現数 単勝回収率 馬連回収率 3連複回収率
延長 1 163 96 54 519 84 81 48
延長 2 99 99 80 599 71 61 57
延長 3 98 92 73 600 99 61 54
延長 4 69 71 77 674 82 54 53
延長 5 40 67 66 696 61 52 33
延長 6 30 45 55 669 59 45 40
延長 7 24 33 48 694 63 52 94
延長 8 11 30 56 737 47 29 42
短縮 1 196 120 98 670 76 83 84
短縮 2 117 115 85 663 83 76 60
短縮 3 97 112 78 684 89 100 72
短縮 4 50 71 75 604 70 52 52
短縮 5 55 61 59 644 82 75 53
短縮 6 35 54 58 600 75 71 72
短縮 7 36 37 48 640 95 55 36
短縮 8 17 27 29 586 75 46 52
同距離 1 437 273 219 1544 72 65 63
同距離 2 258 263 201 1485 77 66 54
同距離 3 176 209 179 1453 74 62 53
同距離 4 127 168 155 1459 70 58 66
同距離 5 111 129 123 1429 83 62 65
同距離 6 90 92 148 1384 86 71 70
同距離 7 75 71 102 1318 95 63 72
同距離 8 49 53 74 1161 106 66 67

次は牡・セン馬のダート。

性別 距離変更 コンピ指数順位 1着回数 2着回数 3着回数 出現数 単勝回収率 馬連回収率 3連複回収率
延長 1 308 162 141 962 81 68 64
延長 2 187 191 150 1069 77 81 85
延長 3 123 130 113 999 76 78 65
延長 4 108 109 103 1054 84 89 67
延長 5 70 93 88 1053 68 73 48
延長 6 58 74 77 1122 77 60 53
延長 7 50 63 86 1106 79 60 71
延長 8 32 51 73 1106 69 52 48
短縮 1 338 191 150 1064 83 73 60
短縮 2 194 191 147 1056 83 72 63
短縮 3 118 146 157 1063 73 72 67
短縮 4 113 130 107 1007 92 94 80
短縮 5 81 103 112 998 78 56 56
短縮 6 55 62 82 994 77 67 58
短縮 7 44 79 70 976 69 63 48
短縮 8 31 48 65 955 77 64 51
同距離 1 950 591 453 3055 75 67 63
同距離 2 518 504 407 2754 82 77 62
同距離 3 329 366 335 2550 81 68 59
同距離 4 245 272 275 2417 82 73 63
同距離 5 175 213 240 2359 78 66 62
同距離 6 139 172 207 2232 81 53 57
同距離 7 81 140 185 2095 64 56 51
同距離 8 69 116 119 1919 87 96 77

次は牝馬のダート。

性別 距離変更 コンピ指数順位 1着回数 2着回数 3着回数 出現数 単勝回収率 馬連回収率 3連複回収率
延長 1 97 69 39 352 76 65 51
延長 2 61 70 69 406 66 83 88
延長 3 65 66 50 460 94 88 78
延長 4 42 60 56 475 81 107 58
延長 5 38 37 52 505 87 78 88
延長 6 20 31 41 504 55 40 95
延長 7 16 26 26 516 77 72 32
延長 8 13 20 22 542 47 24 33
短縮 1 122 92 53 417 82 74 56
短縮 2 84 64 60 421 93 94 88
短縮 3 58 62 57 452 75 62 54
短縮 4 44 46 53 427 82 75 74
短縮 5 38 31 46 469 69 32 31
短縮 6 24 39 42 452 67 71 47
短縮 7 23 32 27 481 81 95 58
短縮 8 19 26 26 487 85 71 35
同距離 1 402 288 168 1374 71 64 61
同距離 2 216 213 151 1267 73 82 62
同距離 3 128 156 177 1200 65 70 57
同距離 4 108 125 139 1186 79 60 74
同距離 5 85 101 115 1112 84 83 66
同距離 6 73 68 91 1066 87 59 56
同距離 7 51 60 78 1076 86 46 46
同距離 8 25 50 67 1016 66 50 43

まとめると回収率から見た「買い」のパターンは、次の3つです。

  • 牝馬の芝・距離短縮の人気上位馬
  • 牡馬のダート・距離延長の人気上位馬
  • 牝馬のダート・距離延長の人気上位馬

ダートの「距離延長」の数字の良さが目立ちます。しかし、ネットや馬券攻略本では「距離短縮」が有利だ!みたいな記事をやたら見かけますが、それはなぜか?延長と短縮を比較するとデータ数では延長のほうが圧倒的に多いから。延長と短縮の2パターンだけで抽象的に集計したら、データ数の多い「距離延長」の数字が低くなるに決まってるじゃないすか。何度も言ってるように比較する条件が抽象的すぎると、同じレースで同じ条件の馬が星の潰しあいをしてるんです。例えば、クラシック戦線に距離短縮で出走する馬が何頭いてるんや、っていう話。そもそもが集計の方法を間違ってるんです。この記事のように、それぞれのレースでユニークになるような(一意性の高い)条件で比較しないとデータとして全く意味がないんです。ただし、延長を好むか短縮を好むかは競走馬の状態によって違うから、このデータも一概に妥当であると言えないですけどね。馬券を買う際の参考にしてください。

「馬連回収率」とは馬連を総流しで買い続けた場合の数字です。つまり、その馬が2着以内に入れば馬券は的中っていう計算です。「3連複回収率」も馬連と同じ、総流しで買い続けてその馬が3着以内なら的中です。経験的に連勝式の回収率は、還元率を超えていれば「買い」のパターンです。JRA馬連なら77.5%以上といったように。なぜなら総流しで馬券を毎回買うことなんて現実的にありませんから。見込みのある実力馬だけに相手を絞って買いますよね?

最後に。この記事のデータ作成に使用したSQLを有料会員に公開しています。ユーザーがカスタマイズして利用することも可能ですし、SQLを学習したい方の参考にもなります。

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