出走馬がゲートに入る順番でデータ分析

データ分析

この記事は、YouTubeでもご覧いただけます。映像とナレーションで内容がよりわかりやすく解説されているので、ぜひ以下のリンクからご覧ください。
■競馬のゲートイン順が勝敗に影響?徹底データ分析!
https://youtu.be/xrzcuuCrf_Y

出走馬がゲートに入る順番

この記事では、「PC-KEIBA Database」を使って、出走馬がゲートに入る順番でデータ分析を行います。出走馬がゲートに入る順番は、原則として次のように定められています。
①先入れ馬、②奇数番、③偶数番、④大外枠
奇数番と偶数番の中では特定の順番はありません。

この出走馬がゲートに入る順番がレース結果に与える影響を分析しました。先入れ馬は予測が困難なため分析から除外し、競走条件ごとに分類して、奇数番、偶数番、大外枠でデータ分析しました。

また、奇数番、偶数番、大外枠の3パターンだけでは、同じ条件に該当する馬が複数いるため、データ分析の意味がありません。そのため、コンピ指数が提供されている2007年から現在(2024年8月)までのJRA全レースを対象に、コンピ指数の1位馬に限定して調査を行いました。

コンピ指数を使う理由は、単勝人気順では馬券購入時とレース確定後で結果が異なることがあるためです。競馬予想データには一貫した基準を用いることが重要です。また、コンピ指数の人気順が単勝人気順とほぼ一致することは「コンピ指数順位別データ分析」の記事で証明されています。

ちなみに、同じ期間に集計したコンピ指数1位馬の全体データは次の通りです。

順位
xxxxxxxx
出現数
xxxxxxxx
勝率
xxxxxxxx
連対率
xxxxxxxx
複勝率
xxxxxxxx
単勝
回収率
xxxxxxxx
複勝
回収率
xxxxxxxx
1 60781 31% 50% 62% 79% 83%
※ヘッダの’x’はレイアウト調整が目的の文字です

データ分析

競走条件
コード
xxxxxxxxxx
順番
xxxxxxxx
出現数
xxxxxxxx
勝率
xxxxxxxx
連対率
xxxxxxxx
複勝率
xxxxxxxx
単勝
回収率
xxxxxxxx
複勝
回収率
xxxxxxxx
新馬 1:奇数番 2379 34% 52% 63% 85% 83%
新馬 2:偶数番 2141 32% 52% 66% 79% 87%
新馬 3:大外枠 416 35% 57% 70% 81% 88%
未勝利 1:奇数番 10691 32% 53% 66% 77% 84%
未勝利 2:偶数番 9585 33% 53% 67% 80% 85%
未勝利 3:大外枠 1484 35% 55% 67% 81% 86%
1勝クラス 1:奇数番 8828 29% 46% 59% 77% 82%
1勝クラス 2:偶数番 7912 30% 48% 61% 80% 84%
1勝クラス 3:大外枠 1351 31% 49% 61% 83% 83%
2勝クラス 1:奇数番 3899 29% 47% 59% 77% 82%
2勝クラス 2:偶数番 3343 30% 47% 59% 80% 82%
2勝クラス 3:大外枠 573 32% 48% 61% 82% 81%
3勝クラス 1:奇数番 1506 28% 44% 56% 80% 80%
3勝クラス 2:偶数番 1462 27% 45% 57% 77% 80%
3勝クラス 3:大外枠 224 26% 40% 51% 69% 72%
オープン 1:奇数番 2385 27% 45% 58% 73% 81%
オープン 2:偶数番 2183 28% 47% 58% 78% 82%
オープン 3:大外枠 419 28% 45% 56% 77% 80%
※ヘッダの’x’はレイアウト調整が目的の文字です

新馬戦における傾向

新馬戦では、奇数番、偶数番、大外枠の順にゲートに入る馬たちの勝率や連対率が比較的均一であることが特徴的です。特に大外枠に入った馬の勝率(35%)が最も高く、連対率(57%)や複勝率(70%)も他のゲート順より優れています。また、複勝回収率も大外枠が88%と最も高く、投資効率が良いことが示されています。この結果は、新馬戦においては、経験の少ない馬たちが出走するため、大外枠の馬が他の馬との接触を避けやすく、スムーズに走れることが影響している可能性があります。

未勝利戦における分析

未勝利戦になると、奇数番、偶数番、大外枠いずれのゲート順でも勝率がほぼ同等で、32~35%の範囲に収まっています。興味深いのは、大外枠に入った馬の勝率が35%とやはり最も高く、複勝率(67%)や単勝回収率(81%)も良好です。この傾向は、新馬戦から未勝利戦に進む過程で、依然として大外枠が有利なポジションであることを示唆しています。

1勝クラス以上のレースにおける変化

1勝クラスになると、奇数番や偶数番に比べて大外枠の馬の勝率や連対率が若干落ちる傾向が見られます。特に3勝クラスでは、大外枠に入った馬の勝率が26%と他のクラスよりも低くなり、連対率や複勝率も大幅に減少しています。これは、競走馬が経験を積むにつれ、外枠の不利な点が強調されるようになるためと考えられます。すなわち、スタートの位置や走行距離のロスが勝敗に直結するようになるため、内枠の方が有利になる可能性が高まります。

オープンでの注目点

オープンにおいては、奇数番、偶数番、大外枠の馬の勝率が27~28%と非常に均一であり、特定のゲート順が明確な優位性を持たないことが明らかです。ただし、大外枠の馬が勝率でわずかにリードしているものの、回収率では偶数番の馬が若干優れている点が興味深いです。この均衡状態は、オープンにおける馬の能力や戦略が、ゲートインの順番による影響をある程度相殺していることを示唆しています。

まとめ

コンピ指数1位馬の全体データと比較すると、ゲート順による勝率や回収率の違いは、やはり出走馬の経験や競走条件によって大きく影響を受けることがわかります。特に新馬戦や未勝利戦においては、大外枠の馬がコンピ指数1位の馬全体の平均値を上回るパフォーマンスを示す一方で、経験を積んだクラスではその差が縮小または逆転する傾向が見られます。したがって、コンピ指数1位馬のパフォーマンスを評価する際には、ゲート順だけでなく、レースのクラスや枠番の影響も慎重に考慮する必要があります。

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