「夏は牝馬」という格言は本当なのか

データ分析

競馬には「夏は牝馬」という格言がありますが、これが本当なのかを確かめるために、2007年から現在(2023年11月)までのJRA全レースを、コンピ指数が提供されているデータを用いて分析しました。

夏と冬で性別による成績の違いがあるのかを検証するために、コンピ指数の順位別に勝率と単勝回収率を比較してみます。ここでは、夏を7~9月、冬を1~3月と定義しています。

コンピ指数を使う理由は、単勝人気順では馬券購入時とレース確定後で結果が異なることがあるためです。競馬予想データには一貫した基準を用いることが重要です。また、コンピ指数の人気順が単勝人気順とほぼ一致することは「コンピ指数順位別データ分析」の記事で証明されています。

牡馬データ分析(夏と冬)

まず、牡馬データを夏と冬で比較してみましょう。牡馬においては、夏と冬の勝率に大きな差異は見られませんが、単勝回収率を比較すると冬の方が有利な傾向がありました。

性別 指数順位 季節 出現数 勝率 単勝回収率 季節 出現数 勝率 単勝回収率
1 9367 32% 78% 10110 32% 82%
2 9252 17% 74% 9875 18% 79%
3 9097 12% 77% 9736 13% 84%
4 8991 8% 76% 9539 9% 82%
5 8860 7% 76% 9498 7% 80%
6 8874 5% 79% 9338 5% 77%
7 8688 4% 76% 9248 4% 82%
8 8490 2% 69% 9013 3% 83%
9 8196 2% 85% 8678 2% 89%
10 7670 1% 72% 8454 2% 81%
11 7059 1% 67% 7887 1% 73%
12 6479 1% 59% 7254 1% 72%
13 5539 0% 54% 6623 0% 69%
14 4553 0% 60% 5895 0% 80%
15 3624 0% 51% 4987 0% 58%
16 2448 0% 17% 4226 0% 36%
17 778 0% 72% 450 0% 14%
18 643 0% 0% 351 0% 34%

牝馬データ分析(夏と冬)

一方で、牝馬のデータを見ると夏と冬の勝率に差が見られ、単勝回収率においても夏の成績が優秀な傾向があります。

性別 指数順位 季節 出現数 勝率 単勝回収率 季節 出現数 勝率 単勝回収率
1 5582 31% 83% 4319 28% 73%
2 5697 19% 85% 4554 16% 72%
3 5852 13% 85% 4693 11% 75%
4 5958 9% 79% 4890 8% 73%
5 6088 7% 84% 4931 6% 77%
6 6049 6% 91% 5082 4% 68%
7 6159 4% 81% 5158 3% 63%
8 6178 3% 76% 5327 3% 79%
9 6042 2% 81% 5444 2% 73%
10 5975 1% 70% 5275 1% 64%
11 5801 1% 86% 5280 1% 57%
12 5402 1% 60% 5216 0% 51%
13 4828 0% 57% 4946 0% 50%
14 4235 0% 58% 4713 0% 31%
15 3362 0% 43% 4179 0% 33%
16 2566 0% 31% 3624 0% 47%
17 973 0% 30% 553 0% 10%
18 823 0% 62% 494 0% 0%

結論

結論として「夏は牝馬」という格言は、今回のデータから見ても妥当なようです。夏の牝馬は上位人気馬の単勝回収率が牡馬を上回る優秀さを示しています。また、指数順位が10位以下の場合を見ると、牡馬は冬、牝馬は夏で単勝回収率が高い傾向があります。

しかし、夏は牝馬が有利な2歳戦が盛んに開催されていることが影響している可能性もあります。この点に関しては「2歳戦は仕上がりの早い牝馬が有利なのか」の記事を参考にしてください。

この記事のデータ作成に使用したSQLを有料会員に公開しています。ユーザーがカスタマイズして利用することも可能ですし、SQLを学習したい方の参考にもなります。

SQLファイルのダウンロードと使い方

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について