高配当のカギは前走脚質?コンピ指数1位馬の3連複データ分析
この記事では、「PC-KEIBA Database」を使って、コンピ指数1位馬の前走脚質がレースの波乱度にどのような影響を与えるかをデータ分析します。コンピ指数が提供されている2007年から現在(2024年8月)まで、約17年間のJRA全レースを対象に、調査を行いました。
コンピ指数を使う理由は、単勝人気順では馬券購入時とレース確定後で結果が異なることがあるためです。競馬予想データには一貫した基準を用いることが重要です。また、コンピ指数の人気順が単勝人気順とほぼ一致することは「コンピ指数順位別データ分析」の記事で証明されています。
「コンピ指数1位馬の前走脚質別データ」を全体的に見ると、トラックや競馬場ごとに、コンピ指数1位馬の前走脚質がレースの波乱度にさまざまな影響を与えていることがわかります。この脚質が重要な要素となっており、その影響は芝やダート、さらには障害でも異なる形で表れています。
3連複の平均は例によって「調和平均」を使います。
「調和平均」については「全国の競馬場の平均配当を比較」の記事で解説しているので参考にして下さい。
コンピ指数1位馬の前走脚質別データ(芝)
トラック | 競馬場 | 前走脚質 | 3連複 | 出現数 |
---|---|---|---|---|
芝 | 札幌 | 逃げ | 2,177 | 147 |
芝 | 札幌 | 先行 | 2,217 | 631 |
芝 | 札幌 | 差し | 2,843 | 463 |
芝 | 札幌 | 追込 | 2,172 | 151 |
芝 | 函館 | 逃げ | 2,577 | 132 |
芝 | 函館 | 先行 | 2,449 | 597 |
芝 | 函館 | 差し | 2,940 | 452 |
芝 | 函館 | 追込 | 3,608 | 158 |
芝 | 福島 | 逃げ | 2,946 | 243 |
芝 | 福島 | 先行 | 3,520 | 853 |
芝 | 福島 | 差し | 4,136 | 718 |
芝 | 福島 | 追込 | 4,159 | 206 |
芝 | 新潟 | 逃げ | 2,908 | 278 |
芝 | 新潟 | 先行 | 3,256 | 964 |
芝 | 新潟 | 差し | 3,332 | 1046 |
芝 | 新潟 | 追込 | 3,650 | 417 |
芝 | 東京 | 逃げ | 1,873 | 180 |
芝 | 東京 | 先行 | 1,993 | 1265 |
芝 | 東京 | 差し | 2,077 | 1552 |
芝 | 東京 | 追込 | 2,359 | 757 |
芝 | 中山 | 逃げ | 2,367 | 271 |
芝 | 中山 | 先行 | 2,413 | 1247 |
芝 | 中山 | 差し | 2,865 | 1230 |
芝 | 中山 | 追込 | 3,076 | 382 |
芝 | 中京 | 逃げ | 2,418 | 149 |
芝 | 中京 | 先行 | 2,604 | 841 |
芝 | 中京 | 差し | 3,009 | 924 |
芝 | 中京 | 追込 | 3,028 | 303 |
芝 | 京都 | 逃げ | 1,871 | 254 |
芝 | 京都 | 先行 | 1,922 | 1204 |
芝 | 京都 | 差し | 2,247 | 1259 |
芝 | 京都 | 追込 | 2,416 | 499 |
芝 | 阪神 | 逃げ | 1,843 | 236 |
芝 | 阪神 | 先行 | 2,053 | 1294 |
芝 | 阪神 | 差し | 2,323 | 1301 |
芝 | 阪神 | 追込 | 2,341 | 574 |
芝 | 小倉 | 逃げ | 2,168 | 290 |
芝 | 小倉 | 先行 | 2,821 | 1193 |
芝 | 小倉 | 差し | 3,363 | 898 |
芝 | 小倉 | 追込 | 3,452 | 267 |
まず、芝においては、前走脚質の影響が競馬場ごとに大きく異なります。例えば、福島や新潟では、前走脚質が「追込」だったコンピ指数1位馬がレースに与える影響が非常に顕著です。
福島の芝では、「追込」のコンピ指数1位馬が出走すると3連複の払戻平均は4,159円に達し、他の脚質に比べて最も高い値を示しています。これは、「追込」が上位に来るかどうかではなく、人気馬の脚質自体がレースの波乱を引き起こす要因になっていることを示しています。
新潟の芝も同様に、長い直線があるため「追込」が決まりやすいと思われがちですが、実際にはコンピ指数1位馬が前走で「追込」だった場合、3,650円という高い払戻が発生し、波乱が生じることが多いです。これは、「追込」が直線で一気に届くかどうかが不確定要素となり、レース展開に不安定さをもたらすためと考えられます。
対照的に、札幌や函館では、コンピ指数1位馬の前走脚質による波乱度の差はそれほど大きくありません。特に札幌では、前走脚質が「差し」の場合に波乱を引き起こす可能性が最も高いものの、全体的には3連複の払戻平均の幅が小さく、前走脚質による大きな違いは見られません。これは、コース形態が比較的フラットで、脚質がレース展開に極端な影響を与えにくいためと考えられます。
コンピ指数1位馬の前走脚質別データ(ダート)
トラック | 競馬場 | 前走脚質 | 3連複 | 出現数 |
---|---|---|---|---|
ダート | 札幌 | 逃げ | 2,594 | 231 |
ダート | 札幌 | 先行 | 2,379 | 723 |
ダート | 札幌 | 差し | 2,639 | 254 |
ダート | 札幌 | 追込 | 2,715 | 58 |
ダート | 函館 | 逃げ | 2,016 | 249 |
ダート | 函館 | 先行 | 2,056 | 643 |
ダート | 函館 | 差し | 2,614 | 259 |
ダート | 函館 | 追込 | 2,575 | 63 |
ダート | 福島 | 逃げ | 2,904 | 333 |
ダート | 福島 | 先行 | 3,214 | 802 |
ダート | 福島 | 差し | 3,240 | 439 |
ダート | 福島 | 追込 | 3,937 | 99 |
ダート | 新潟 | 逃げ | 2,439 | 398 |
ダート | 新潟 | 先行 | 2,691 | 1183 |
ダート | 新潟 | 差し | 2,798 | 641 |
ダート | 新潟 | 追込 | 3,604 | 130 |
ダート | 東京 | 逃げ | 2,416 | 432 |
ダート | 東京 | 先行 | 2,690 | 1811 |
ダート | 東京 | 差し | 2,997 | 1442 |
ダート | 東京 | 追込 | 3,727 | 506 |
ダート | 中山 | 逃げ | 2,497 | 603 |
ダート | 中山 | 先行 | 2,426 | 2042 |
ダート | 中山 | 差し | 2,724 | 1228 |
ダート | 中山 | 追込 | 3,474 | 317 |
ダート | 中京 | 逃げ | 2,503 | 397 |
ダート | 中京 | 先行 | 2,692 | 1334 |
ダート | 中京 | 差し | 3,022 | 728 |
ダート | 中京 | 追込 | 3,941 | 201 |
ダート | 京都 | 逃げ | 2,363 | 594 |
ダート | 京都 | 先行 | 2,390 | 1902 |
ダート | 京都 | 差し | 2,623 | 1079 |
ダート | 京都 | 追込 | 3,280 | 280 |
ダート | 阪神 | 逃げ | 2,245 | 648 |
ダート | 阪神 | 先行 | 2,176 | 2150 |
ダート | 阪神 | 差し | 2,648 | 1274 |
ダート | 阪神 | 追込 | 3,014 | 312 |
ダート | 小倉 | 逃げ | 2,990 | 378 |
ダート | 小倉 | 先行 | 2,849 | 968 |
ダート | 小倉 | 差し | 3,968 | 424 |
ダート | 小倉 | 追込 | 3,878 | 74 |
一方、ダートでは、芝とは異なる傾向が見られます。ダートではデータ的にも「逃げ」や「先行」が有利とされ、これが波乱度にも反映されています。例えば、中京や福島のダートでは、前走脚質が「逃げ」や「先行」だったコンピ指数1位馬が出走するレースでは、3連複の払戻平均が他の脚質に比べて低く、波乱度が抑えられている傾向が見られます。
しかし、前走が「追込」だった場合、ダートでも波乱が生じやすくなります。中京のダートでは、前走「追込」のコンピ指数1位馬が出走すると3連複の払戻平均は3,941円に達し、他の脚質と比べて明らかに高い値を示しています。これは、ダートで「追込」が決まることが少なく、その不安定さがレース結果に大きな影響を与えているためです。
また、函館のダートでも同様の傾向が見られ、「逃げ」が有利に働くため、コンピ指数1位馬の前走脚質が「逃げ」の場合、3連複の払戻平均は非常に安定しています。これに対し、コンピ指数1位馬の前走脚質が「追込」の場合、波乱が発生しやすくなり、3連複の払戻平均が上昇します。ダートでは、先行馬の有利さが結果に直結しやすい一方で、人気馬の差し馬の存在がレースの波乱を引き起こす要因になっていることを示しています。
コンピ指数1位馬の前走脚質別データ(障害)
トラック | 競馬場 | 前走脚質 | 3連複 | 出現数 |
---|---|---|---|---|
障害 | 福島 | 逃げ | 3,201 | 57 |
障害 | 福島 | 先行 | 2,201 | 124 |
障害 | 福島 | 差し | 3,458 | 55 |
障害 | 福島 | 追込 | 1,860 | 12 |
障害 | 新潟 | 逃げ | 3,165 | 65 |
障害 | 新潟 | 先行 | 2,566 | 178 |
障害 | 新潟 | 差し | 2,879 | 88 |
障害 | 新潟 | 追込 | 1,986 | 7 |
障害 | 東京 | 逃げ | 2,550 | 60 |
障害 | 東京 | 先行 | 2,773 | 142 |
障害 | 東京 | 差し | 2,557 | 53 |
障害 | 東京 | 追込 | 2,310 | 6 |
障害 | 中山 | 逃げ | 1,886 | 70 |
障害 | 中山 | 先行 | 2,293 | 177 |
障害 | 中山 | 差し | 2,628 | 57 |
障害 | 中山 | 追込 | 3,995 | 12 |
障害 | 中京 | 逃げ | 2,281 | 42 |
障害 | 中京 | 先行 | 2,497 | 118 |
障害 | 中京 | 差し | 3,264 | 31 |
障害 | 中京 | 追込 | 3,158 | 11 |
障害 | 京都 | 逃げ | 1,932 | 89 |
障害 | 京都 | 先行 | 2,323 | 123 |
障害 | 京都 | 差し | 2,641 | 56 |
障害 | 京都 | 追込 | 1,877 | 10 |
障害 | 阪神 | 逃げ | 1,492 | 76 |
障害 | 阪神 | 先行 | 1,655 | 192 |
障害 | 阪神 | 差し | 2,087 | 58 |
障害 | 阪神 | 追込 | 2,329 | 16 |
障害 | 小倉 | 逃げ | 1,288 | 53 |
障害 | 小倉 | 先行 | 1,732 | 132 |
障害 | 小倉 | 差し | 1,622 | 41 |
障害 | 小倉 | 追込 | 1,149 | 10 |
障害では、脚質による波乱の影響がやや異なります。障害はデータ的にも比較的波乱が少なく、安定した展開になることが多いです。しかし、中山や福島では、前走脚質が「差し」や「追込」のコンピ指数1位馬が出走すると、例外的にレースがやや不安定になる傾向があります。例えば、中山の障害でコンピ指数1位馬の前走脚質が「追込」だった場合、3連複の払戻平均は3,995円と他の脚質に比べて高めです。
この現象は、障害が安定しがちな中でも、前走「追込」のコンピ指数1位馬が不確定要素を持ち込み、予想外の展開を生む可能性があるためと考えられます。
まとめ
「コンピ指数1位馬の前走脚質別データ」を全体的に見ると、前走脚質がレースの波乱度に大きく影響していることが明らかです。特に芝では、前走が「追込」だったコンピ指数1位馬が出走するレースで波乱が起きやすく、福島や新潟ではその傾向が顕著です。
一方、ダートでは前走が「逃げ」や「先行」だったコンピ指数1位馬が安定した結果をもたらす一方、やはり「追込」だった場合は波乱を引き起こす要因となっています。障害でも、前走「追込」の人気馬が不安定な要素となり、波乱の要因をさらに強調しています。
このように、人気馬の前走脚質がレースの波乱度に与える影響を理解することで、予想に役立つ新たな視点が得られるでしょう。波乱度を予測する際には、人気馬の前走脚質がもたらす不確定性を考慮することで、より精度の高い予想に繋がるはずです。
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