【トータル期待値】2024年7月・高度なデータ分析で探る「お買い得」な馬は?

トータル期待値

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■【トータル期待値】2024年7月・高度なデータ分析で探る「お買い得」な馬は?https://youtu.be/4h3_MXmw8mU

トータル期待値とは

「トータル期待値」とは管理人@PC-KEIBA独自の計算方法です。

「期待値」が何のこっちゃ分からん人は、以下の記事を参考にしてください。
■最新オッズと期待値で自動投票するプロシージャ
https://pc-keiba.com/wp/myp_kitaichi/

一般的な回収率の計算は、1点100円の賭け金で「均等買い」を行う方法です。この方法は外れ値、つまり人気薄の高額配当に影響されやすいという欠点があります。

「トータル期待値」は、最新データで一定期間の確率とオッズを掛け合わせたものです。単勝と複勝の計算式は以下の通りです。

  • x1(単勝トータル期待値) = 勝率 × 単勝オッズの調和平均
  • x3(複勝トータル期待値) = 複勝率 × 複勝オッズの調和平均

記事内の「x1」は単勝トータル期待値、「x3」は複勝トータル期待値を意味します。

競馬の払戻金は、高額配当ほど出現確率が低いため、払戻金が一定になるよう調和平均で計算するのが実用的です。また、「合成オッズ」で馬券を買うのが理にかなっているなら、同様に平均配当も集計すべきです。その考え方を回収率計算に応用したのが「トータル期待値」です。

回収率とトータル期待値の違い

回収率とトータル期待値の違いを、次の図で分かりやすく説明します。

ある種牡馬のデータを集計すると、その産駒が10レース中、3レースで3着以内に入り、複勝率は30%になりました。7Rは人気薄だったので複勝の払戻が720円ありました。これで回収率は110%になりますが、これは7Rの人気薄が大きく影響しています。

でも「x3(複勝トータル期待値)」は1を切っています。こうして、外れ値の影響を無視した調和平均を使っても、期待値が高い馬は本当に期待値が高いってわけです。

それでは、トータル期待値が高い「お買い得な種牡馬」「お買い得な騎手」「お買い得な調教師」を発表します。

勝率より複勝率の方が3連複や3連単に応用しやすいので、x3(複勝トータル期待値)をメインに「お買い得」を紹介します。

種牡馬・競馬場距離別

この記事で使っている種牡馬データの集計期間は、2022年1月1日から2024年7月6日までです。出走数が10回以上で、3着以内に2回以上入った種牡馬をフィルターしています。

このデータは、産駒の性別ごとに分類しています。なぜなら、性別によって異なる特徴を持つ種牡馬がいるからです。

各コースの、x3が大きい順に並べています。x3が1以上の種牡馬だけをピックアップしました。馬券を買うときの「お買い得な種牡馬」として参考にしてください。

この記事では、もうすぐ開催される札幌と新潟のデータを集計してみました。

種牡馬・札幌

競馬場
xxxxxxxx
トラック
xxxxxxxx
距離
xxxxxxxxxxxxxxxx
種牡馬
xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
性別
xxxxxx
出走数
xxxxxxxx
勝率
xxxx
複勝率
xxxxxxxx
x1 x3
札幌 1000m~1600m サトノダイヤモンド 11 18% 45% 2.81 1.16
札幌 1601m~2200m オルフェーヴル 17 24% 53% 1.54 1.56
札幌 1601m~2200m デクラレーションオブウォー 10 40% 70% 1.24 1.24
札幌 1601m~2200m ハービンジャー 26 8% 42% 0.48 1.01
札幌 ダート 1000m~1600m モーリス 10 20% 50% 1.24 1.53
札幌 ダート 1000m~1600m ドレフォン 10 0% 60% 1.16
札幌 ダート 1601m~2200m マジェスティックウォリアー 16 13% 44% 0.53 1.43
札幌 ダート 1601m~2200m ホッコータルマエ 23 4% 39% 1.17 1.29
札幌 ダート 1601m~2200m マインドユアビスケッツ 13 23% 46% 1.47 1.21
札幌 ダート 1601m~2200m ルーラーシップ 22 5% 36% 0.44 1.15
※ヘッダの’x’はレイアウト調整が目的の文字です

まず、札幌の芝中距離では、オルフェーヴル産駒の牡馬が目立ちます。2022年1月1日から17回出走し、勝率24%、複勝率53%を記録しています。特に複勝率が50%を超えているので、安定した成績を収めていることがわかります。x1とx3がそれぞれ1.541.56なので、オルフェーヴル産駒の牡馬は札幌の芝中距離で「お買い得」と言えます。

同じく札幌の芝中距離では、デクラレーションオブウォー産駒の牡馬も注目に値します。10回出走し、勝率40%、複勝率70%という高い成績を収めています。x1とx3が共に1.24なので、「お買い得」と言えます。

一方、ダートに目を向けると、モーリス産駒の牝馬が短距離(1000m~1600m)で10回出走し、勝率20%、複勝率50%を記録しています。x1が1.24、x3が1.53なので、札幌ダートの短距離において「お買い得」と言えます。

札幌ダートの中距離(1601m~2200m)では、マインドユアビスケッツ産駒の牡馬が13回出走し、勝率23%、複勝率46%と安定した成績を収めています。x1が1.47、x3が1.21なので、札幌ダートの中距離において「お買い得」と言えます。

種牡馬・新潟

競馬場
xxxxxxxx
トラック
xxxxxxxx
距離
xxxxxxxxxxxxxxxx
種牡馬
xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
性別
xxxxxx
出走数
xxxxxxxx
勝率
xxxx
複勝率
xxxxxxxx
x1 x3
新潟 1000m~1600m マジェスティックウォリアー 12 0% 17% 2.12
新潟 1000m~1600m ベーカバド 10 0% 30% 1.33
新潟 1000m~1600m オルフェーヴル 20 5% 40% 0.24 1.05
新潟 1000m~1600m ベーカバド 10 0% 30% 1.02
新潟 1000m~1600m スワーヴリチャード 10 20% 60% 0.68 1.01
新潟 1601m~2200m サトノクラウン 15 0% 20% 1.19
新潟 1601m~2200m ジャングルポケット 10 0% 40% 1.13
新潟 1601m~2200m ヴィクトワールピサ 17 6% 41% 0.59 1.03
新潟 ダート 1000m~1600m マジェスティックウォリアー 11 18% 18% 7.42 1.25
新潟 ダート 1000m~1600m サウスヴィグラス 11 9% 36% 0.38 1.08
新潟 ダート 1000m~1600m ホッコータルマエ 20 15% 30% 1.70 1.04
新潟 ダート 1000m~1600m シニスターミニスター 10 20% 50% 0.64 1.02
新潟 ダート 1601m~2200m カレンブラックヒル 13 8% 15% 7.15 1.63
新潟 ダート 1601m~2200m モーリス 20 25% 55% 1.45 1.16
新潟 ダート 1601m~2200m フリオーソ 14 7% 29% 0.25 1.13
新潟 障害 2201m~ ローズキングダム 10 40% 80% 1.68 1.56
※ヘッダの’x’はレイアウト調整が目的の文字です

まず、新潟の芝短距離(1000m~1600m)で注目すべき種牡馬として、スワーヴリチャードが挙げられます。スワーヴリチャード産駒の牝馬は、2022年1月1日から10回出走し、勝率20%、複勝率60%という高い成績を収めています。さらに、x3が1.01なので「お買い得」感があります。

一方、マジェスティックウォリアー産駒の牝馬は、同じ新潟の芝短距離で12回出走して勝率は0%、複勝率は17%と低めです。でも、x3が2.12なので「お買い得」と言えますね。

次に、ダートの中距離(1601m~2200m)では、モーリス産駒の牡馬が特に目立ちます。20回の出走で勝率25%、複勝率55%を記録しており、安定した成績を残しています。x1が1.45、x3が1.16なので、モーリス産駒の牡馬は新潟ダートの中距離で「お買い得」と言えます。

騎手・平地障害別

この記事で使っている騎手データの集計期間は、2024年1月1日から2024年7月6日までです。出走数が10回以上で、3着以内に2回以上入った騎手をフィルターしています。

x3が1以上の騎手はほとんどいないので、上位20名をピックアップしました。勝利数で評価されるリーディングとは当然順位が違いますが、「お買い得な騎手」として参考にしてください。

出走数は少ないけど「お買い得な騎手」や、逆にリーディング上位でも「お買い得な騎手」が見えてきます。

騎手・平地

騎手 所属 トラック 出走数 勝率 複勝率 x1 x3
岡田祥嗣 栗東 平地 12 0% 25% 1.07
川田将雅 栗東 平地 260 32% 63% 0.70 0.83
ルメール 栗東 平地 267 32% 63% 0.64 0.80
宮崎北斗 美浦 平地 33 3% 12% 0.34 0.80
キングス 外国 平地 71 7% 27% 0.41 0.71
キング 外国 平地 139 12% 32% 0.47 0.70
戸崎圭太 美浦 平地 389 17% 42% 0.47 0.66
モレイラ 外国 平地 100 25% 51% 0.55 0.66
坂井瑠星 栗東 平地 375 15% 42% 0.43 0.65
藤岡佑介 栗東 平地 270 11% 33% 0.50 0.64
川又賢治 栗東 平地 74 1% 18% 0.06 0.64
M.デム 栗東 平地 252 6% 31% 0.22 0.64
岩田望来 栗東 平地 444 12% 34% 0.51 0.62
ルメート 外国 平地 143 11% 34% 0.46 0.61
武豊 栗東 平地 276 17% 38% 0.53 0.61
鮫島克駿 栗東 平地 426 12% 33% 0.39 0.60
松山弘平 栗東 平地 415 12% 36% 0.42 0.60
北村友一 栗東 平地 251 10% 29% 0.43 0.59
藤岡康太 栗東 平地 211 13% 33% 0.48 0.58
高倉稜 栗東 平地 54 2% 13% 0.07 0.56

川田騎手とルメール騎手について話すと、x1は川田騎手が0.70、ルメール騎手が0.64で、x3はそれぞれ0.830.80です。これからもわかるように、この二人の騎手は安定して高い成績を残しています。ただ、ルメール騎手のx1が0.64と低いのは、同じ勝率の川田騎手よりも過剰人気があることを示しています。

全体的に見ると、このデータから川田将雅騎手とルメール騎手が際立ったパフォーマンスを見せていることがわかります。

騎手・障害

騎手 所属 トラック 出走数 勝率 複勝率 x1 x3
井上敏樹 栗東 障害 24 4% 17% 7.81 1.18
森一馬 栗東 障害 51 20% 57% 0.59 0.87
西谷誠 栗東 障害 13 8% 54% 0.23 0.85
金子光希 美浦 障害 15 20% 27% 1.52 0.79
小牧加矢 栗東 障害 57 16% 46% 0.36 0.64
上野翔 美浦 障害 48 23% 33% 0.93 0.59
小坂忠士 栗東 障害 19 11% 37% 0.15 0.53
伴啓太 美浦 障害 55 2% 16% 0.25 0.45
高田潤 栗東 障害 28 18% 36% 0.42 0.45
大江原圭 美浦 障害 48 8% 27% 0.33 0.44
五十嵐雄 美浦 障害 58 3% 24% 0.10 0.44
坂口智康 美浦 障害 27 4% 19% 0.30 0.43
石神深一 美浦 障害 58 10% 26% 0.29 0.42
中村将之 栗東 障害 52 6% 23% 0.13 0.32
草野太郎 美浦 障害 34 3% 15% 0.31 0.31
江田勇亮 美浦 障害 18 6% 11% 0.51 0.28
水沼元輝 美浦 障害 35 3% 9% 0.27 0.28
黒岩悠 栗東 障害 40 8% 15% 0.18 0.21
小野寺祐 栗東 障害 49 2% 12% 0.07 0.21
田村太雅 栗東 障害 16 0% 13% 0.18

まず、森一馬騎手について注目しましょう。森騎手は2024年1月1日から51回出走し、勝率20%、複勝率57%を記録しています。x1が0.59、x3が0.87なので、森騎手は非常に安定した成績を収めていることがわかります。障害レースにおいて高い勝率と複勝率を維持し、信頼性の高い騎手と言えます。

次に、西谷誠騎手について見てみましょう。13回出走していますが、出走数は少ないものの、勝率は8%、複勝率は54%です。x1が0.23、x3が0.85なので、西谷騎手は勝率は低いですが、複勝圏内で「お買い得」な障害騎手と言えます。

調教師・平地障害別

この記事で使っている調教師データの集計期間は、2024年1月1日から2024年7月6日までです。出走数が10回以上で、3着以内に2回以上入った調教師をフィルターしています。

x3が1以上の調教師はほとんどいないので、上位20名をピックアップしました。勝利数で評価されるリーディングとは当然順位が違いますが、「お買い得な調教師」として参考にしてください。

出走数は少ないけど「お買い得な調教師」や、逆にリーディング上位でも「お買い得な調教師」が見えてきます。

調教師・平地

調教師 所属 トラック 出走数 勝率 複勝率 x1 x3
福永祐一 栗東 平地 54 9% 39% 0.55 0.82
上村洋行 栗東 平地 132 20% 45% 0.71 0.75
中野栄治 美浦 平地 70 9% 33% 0.33 0.74
河嶋宏樹 栗東 平地 77 4% 19% 0.26 0.69
藤原英昭 栗東 平地 156 14% 38% 0.42 0.67
菊沢隆徳 美浦 平地 130 11% 35% 0.40 0.66
松永幹夫 栗東 平地 167 13% 32% 0.56 0.65
伊藤圭三 美浦 平地 193 8% 27% 0.44 0.65
高橋一哉 栗東 平地 65 6% 15% 0.70 0.64
西園正都 栗東 平地 167 13% 32% 0.49 0.64
中内田充 栗東 平地 116 21% 44% 0.57 0.62
戸田博文 美浦 平地 108 10% 36% 0.39 0.62
池上昌和 美浦 平地 113 11% 29% 0.38 0.61
加藤征弘 美浦 平地 149 11% 36% 0.38 0.61
四位洋文 栗東 平地 121 6% 28% 0.35 0.61
安田翔伍 栗東 平地 116 9% 31% 0.44 0.61
須貝尚介 栗東 平地 188 12% 32% 0.51 0.61
吉岡辰弥 栗東 平地 131 18% 37% 0.51 0.60
牧浦充徳 栗東 平地 131 8% 32% 0.26 0.60
堀宣行 美浦 平地 127 23% 37% 0.65 0.60

まず、福永祐一調教師の成績を見てみましょう。2024年1月1日から54回出走し、勝率9%、複勝率39%を記録しています。x1が0.55、x3が0.82なので、福永調教師の管理馬は複勝圏内に入ることが多く、「お買い得」感があります。

次に、上村洋行調教師について注目しましょう。132回出走し、勝率20%、複勝率45%という高い成績を記録しています。x1が0.71、x3が0.75なので、このデータから、上村調教師の管理馬は的中率と「お買い得」の両面で優れたパフォーマンスを発揮していることがわかります。

調教師・障害

調教師 所属 トラック 出走数 勝率 複勝率 x1 x3
石栗龍彦 美浦 障害 13 8% 23% 2.42 1.80
村田一誠 美浦 障害 10 20% 50% 2.16 1.39
川村禎彦 栗東 障害 10 10% 20% 2.40 1.22
中竹和也 栗東 障害 14 29% 64% 0.63 0.90
音無秀孝 栗東 障害 18 11% 39% 0.27 0.70
清水久詞 栗東 障害 11 18% 36% 0.55 0.64
宗像義忠 美浦 障害 11 0% 18% 0.59
斉藤崇史 栗東 障害 11 18% 45% 0.36 0.58
高柳大輔 栗東 障害 10 0% 30% 0.55
尾形和幸 美浦 障害 13 0% 31% 0.47
鈴木孝志 栗東 障害 11 0% 27% 0.43
小笠倫弘 美浦 障害 17 6% 29% 0.24 0.41
伊藤伸一 美浦 障害 13 15% 23% 0.65 0.39
藤沢則雄 栗東 障害 17 6% 24% 0.09 0.32
戸田博文 美浦 障害 16 13% 19% 0.23 0.23
土田稔 美浦 障害 15 7% 13% 0.21 0.19

まずは、中竹和也調教師に注目しましょう。中竹調教師は素晴らしい成績を収めていて、とても信頼できることがわかります。2024年1月1日からの14回の出走で、勝率は29%、複勝率は64%という非常に優れた成績を記録しています。x1が0.63、x3が0.90という数値からもわかるように、中竹調教師は的中率と「お買い得」の両方で非常に高いパフォーマンスを発揮しています。

次に、村田一誠調教師を見てみましょう。10回の出走で、勝率は20%、複勝率は50%を記録しています。x1が2.16、x3が1.39という数値から、村田調教師は出走数が少ないながらも、勝率と複勝率の両方で高い「お買い得」感を示していることがわかります。

最後に、石栗龍彦調教師の成績も見逃せません。13回の出走で、勝率は8%、複勝率は23%を記録しています。的中率は低いものの、x1が2.42、x3が1.80という数値から、石栗調教師は勝率と複勝率の両方で最も高い「お買い得」感を示していることがわかります。

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